
ちょっと落ち込んだ一冊
今回、読んだのは、
『働く女子と罪悪感 「こうあるべき」から離れたら、もっと仕事は楽しくなる』浜田敬子
です。
この本で勇気をもらったという人もいるだろうけど、私には苦言を頂いたなという一冊。
著者が、ガッカリした10歳下くらいの世代は、私と同世代。
読んでると、なんかすみませんと思う。
でも、筆者はそんな私たちのことも受け入れてる。価値観の違う働く女子を理解する懐の広さが今もある。
だから、後ろめたさを感じる一方、もっと頑張ろうという気になる。
本書で一貫して語られるテーマ
本書で一貫して語られるのは、「罪悪感から自由になる働き方」の大切さだ。
"時間に制約があっても遠慮しなくていい""自分が最も力を発揮できる条件で働くことが重要"。
タイトルの「こうあるべき」から離れるというメッセージは、この姿勢を指している。
世代間の価値観の違いに納得した
仕事と家庭のバランスをどう考えるかは、世代によって大きく異なる。
均等法世代の女性たちが、認められるために誰よりも長く働き、家庭との両立どころではなかったことも、本書から改めて理解できた。
研修などでよく言われる「女性の敵は女性」という言葉の背景も、ここを知ると腑に落ちる。
あなた達がいい加減な気持ちで働いてると、だから女はダメだと言われるという対立構造であったり、一世代前の女性から男と同等であるべきとの圧がすごいというのは女性向け研修で聞いた。
本当に仕事が好きでしょうがない人だけが、仕事を続けた。そんな世代だから、厳しいことも言うのだなと思う。私自身は、厳しいことを言われたこともないし、そこまでの熱い方に出会ったこともなかったので、研修で聞いたことがやっとリアルに感じた。
女性が管理職を避ける理由への違和感
本書では、女性が管理職を目指さない理由として「自信のなさ」がよく挙げられる。
ただ私は、"スキルや自信の問題ではなく、働き方そのものに魅力を感じにくいから"という点が大きいと感じる。
長時間労働と家庭の両立という"総量"に人生を寄せたくない。
この価値観は、本書でも繰り返し示される世代間の違いに関係していると感じた。
女性が経験を積みにくい構造だった
本書で紹介される女性が管理者になりたくない状況として、以下のような構造的なハードルが語られている:
- ✗ 責任ある仕事が回ってこない
- ✗ 挑戦機会が乏しい
- ✗ ロールモデルが少ない
結果として、管理職を目指す選択肢自体が育ちにくい。
この点は強く共感した。
ただしここも「だから女性は自信がない」という話に閉じるのではなく、
"そもそも管理職というポジションに魅力があるのか"という価値観の違いが背景にあると私は思う。
"働く母の罪悪感"の描き方がリアル
子どもを気にかけながら働くときの不安や後ろめたさ——
著者が語る感情の揺れはとてもリアルで、私自身の経験とも重なる部分が多かった。
気になったこと:著者のその後
この本は著者が50代前半のときに書いたもの。
娘さんの反抗期をどう過ごしたかが気になる。反抗期の娘を持つ私としては、その続きをぜひ聞いてみたいと思った。
まとめ
本書は、働く女性が抱きがちな"罪悪感"の正体を、世代・実例・データを通して丁寧に言語化してくれる一冊だ。
働き方に対する価値観のズレを理解する上でも、非常に示唆が多い。
同時に、"管理職を避ける理由はひとつではない""価値観の変化こそが重要な背景"という気づきも大きかった。
読み終えると、自分のモヤモヤが整理される本だと思う。






